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福岡地方裁判所 昭和47年(わ)151号 決定

本籍ならびに住居

福岡県大川市大字酒見四九六番地の一

家具卸小売業

山下昇

大正九年二月二一日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件公訴を棄却する。

理由

本件公訴事実は別紙のとおりである。

大川市長の中村太久郎の確認した被告人の戸籍謄本によれば、被告人は昭和四八年二月八日死亡したことが認められる。

よって、刑事訴訟法三三九条一項四号前段により主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 山本茂 裁判官 知念義光 裁判官 泉博)

公訴事実

被告人は、福岡県大川市大字酒見四九六番地の一において山下家具本店を、また大分県中津市新博多町二丁目一、七四一番地において山下家具中津支店を経営しているものであるが、所得税を免れようと企て

第一、昭和四三年分の実際の総所得金額は九、二四五、三四六円で、これに対する所得税額は三、四〇九、八〇〇円であったにもかかわらず、山下家具本店においては、売上及び仕入の一部を、山下家具中津支店において売上の一部を各除外したり、また期末たな卸額を過少に計上するなどの方法により、その所得を秘匿したうえ、昭和四四年三月一五日大川市大字中津所在大川税務署において、同税務署長に対し、総所得金額は一、七五六、〇三五円で、これに対する所得税額は二〇二、三〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により正当な所得税額との差額三、二〇七、五〇〇円を免れ

第二、昭和四四年分の実際の事業所得金額一〇、一六五、七七〇円、譲渡所得欠損金額四三七、一五〇円、合計総所得金額は九、七二八、六二〇円で、これに対する所得税額は三、五〇〇、〇〇〇円であったにもかかわらず、前同様の方法により、その所得を秘匿したうえ、昭和四五年三月一四日前記大川税務署において、同税務署長に対し、事業所得金額二、一六一、八三六円、譲渡所得欠損金額四三七、一五〇円、合計総所得金額は一、七二四、六八六円で、これに対する所得税額は一六四、三〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により正当な所得税額との差額三、三三五、七〇〇円を免れ

たものである。

右は謄本である

昭和四八年三月九日

福岡地方裁判所

裁判所書記官 豊岡和夫

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